市民自治ノート - NPOまちぽっとから

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 このブログは、NPO法人まちぽっとスタッフの伊藤久雄が書いています。このブログでは、「市民自治」の推進に必要なさまざまな情報や、NPO法人まちぽっとの活動などを発信していきます。

第15回「日の丸・君が代」問題等 全国学習・交流集会 

迫る戦争の危機、改めて問う! 平和と人権の教育を!

 

7月20日(日)10:30~17:00 開場10:10

日比谷図書文化館コンベンションホールB1
(内幸町駅A7出口、霞ヶ関駅B2出口、日比谷駅A14出口)

 

講演:辻野けんまさん(大阪公立大学准教授)
「〈国際化〉を謳い〈国家化〉する公教育~教職専門性受難の時代の提言~」

各地の現場からの報告

資料代:800円

デモ出発 17:00

 

主催:第15回「日の丸・君が代」問題等全国学習・交流集会実行委員会

連絡先:090-7015-3344(永井)

「週刊金曜日」ニュース:いまこそ小選挙区制を見直せ

http://www.labornetjp.org/news/2025/1751584416538staff01/1751584416538staff01_img/view

 

 

<注目の記事>

 

■いまこそ小選挙区制を見直せ

 

真相解明が進まない裏金問題や世襲議員の増加、なかなか増えない女性議員─

─政治に対する信頼が損なわれている最大の原因は政治家の劣化だ。それを根

本から正すには、選挙区制度を見直す必要がある。小選挙区制を厳しく批判し

てきた佐高信氏と国会制度に詳しい大山礼子氏が語り合う。

 

●【対談】大山礼子×佐高信

根本的な政治浄化には選挙区制度改革が必須

 

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■戦後80年・沖縄の記憶を継ぐ どうすれば伝わるのか

 

沖縄戦80年。戦争をくぐり抜けた生存者から直接その体験を聞くことは、い

ずれかなわなくなる。それでも語り継いでいかなければならない。いかにして

記憶を継承していくべきなのか。小説、映画、アート──それぞれの分野で活

躍する沖縄出身のクリエーターからヒントを得る。

 

●【対談】西由良×豊永浩平

史実と向き合い、想像力を働かせる

 

小説家の豊永浩平さん(22歳)は大学時代に書いたデビュー作『月ぬ走いや、

馬ぬ走い』で沖縄戦から現代までを貫く「暴力の歴史」を描いた。会社員の西

由良さん(30歳)は、1990年代生まれが沖縄を語るコラムプロジェクト「あ

なたの沖縄」を主宰し、沖縄戦の記憶についても発信してきた。戦後80年。

戦争を体験していない世代が沖縄の記憶を語り継ぐことはできるのか。共通の

問題意識を持つ沖縄出身の2人が語り合う。

 

●井上ひさしの遺志継ぐ舞台を沖縄で映画化

『木の上の軍隊』平一紘監督に聞く

中村富美子

 

劇作家、井上ひさしが生前に舞台化を願い、後進の手で実現したこまつ座の『木

の上の軍隊』。沖縄戦の実話から生まれた舞台が、沖縄に生まれ育った若き監督、

平一紘の手で今回映画化された。「戦争を映画で伝えたい」というプロデューサ

ー、横澤匡広の強い思いを平監督はどう受けとめたのか。

 

●沖縄戦に向き合う関連書籍を紹介

 

沖縄戦80 年を機に刊行された書籍を紹介する。「ジャンルというボーダーを超

えた沖縄県産本づくり」を掲げて500点以上の本を送り出してきた出版社「ボ

ーダーインク」(那覇市)と、本誌編集部が選んだ計12冊。沖縄戦から続く問

題を考える手がかりにしたい。

 

●Choros of the Melodies コロスの唄

写真・文 山城知佳子

 

◆声なき者と生者の響きあいを「唄」になぞらえて

岡村恵子

新宿駅東南口は自由な解放区 路上大学に50人

 

レイバーネットニュース 堀切さとみ

http://www.labornetjp.org/news/2025/0628eki

 

 

 6月28日、18時になってもまだまだ明るい。猛暑の新宿駅は人でごった返していた。友人が「路上大学」なるものを始めたという。何となくワクワクするではないか。

 

 ラップ調の音楽を始める若者たちの前をすり抜け、東南口広場に行くと、小さなスクリーンの周りに人が集まっている。「イランへの侵略・事実上の核攻撃、ガザへの虐殺やめろ」のプラカード。一人一人がマイクを握り、連日のように報道される虐殺の現実から目をそらさないでと、歩く人たちに声を届ける。パン屋で働く若い女性や、イスラエル大使館の前で毎日スタンディングしているという人も。「警備が強くて、遠くからしか抗議できない。『火炎瓶が投げこまれれるかもしれないから』と警官は言けれど、パレスチナでは毎日子どもが爆撃で殺されているんだ」と。それらの一つ一つの話が<等身大>だった。

 

レイバー映画祭2025〜巨大企業アマゾンに立ち向かう人びと

http://www.labornetjp.org/news/2025/0727kokuti

 

 ことしの「レイバー映画祭」は、7月27日(日)全水道会館4F大会議室で終日開催します。ことしは、日本と米国のアマゾン労働者のたたかいを描いた二本のドキュメンタリーを上映します。また今年話題になった「ウカマウ集団」の名作『第一の敵』を上映します。「希望と勇気をもらえる映画祭」を一緒に成功させましょう。

 

 

●7月27日(日)全水道会館4階大会議室(JR水道橋駅東口2分)

 10時10分~17時(10時開場)

●参加費 一般2000円(前売予約 1700円)学生無料(失業者・障害者1000円)

●メール予約サイト https://labornetjp.jimdofree.com

 

●プログラム

10時10分 司会あいさつ

10時15分~11時55分 『第一の敵』(98分)

  *太田昌国さんトーク

12時10分~13時00分 昼休憩(50分)

13時00分~13時20分 『令和の百姓一揆』(15分)

13時20分~13時40分 『タワマン物語』(20分)

  *津田修一さんトーク

13時50分~14時00分 休憩(10分)

14時00分~14時45分 『Amazon~送料無料の裏で』(44分)

  *土屋トカチさんトーク

15時05分~16時45分 『ユニオン』

保谷庁舎敷地活用事業実施事業者を募集します!

 

西東京市HP 2025年7月3日(修正後)

保谷庁舎敷地活用事業実施事業者を募集します! 西東京市Web

 

保谷庁舎敷地活用事業公募型プロポーザルを実施【令和7年5月22日】

 西東京市は、平成13年の合併以降、田無・保谷両庁舎を活用した市政運営を行ってきましたが、保谷庁舎については、老朽化と耐震対応に課題があったため、田無第二庁舎を整備した上で解体しました。保谷庁舎解体後の敷地活用については、令和2年度から保谷庁舎敷地活用基本方針(以下「基本方針」という。)に基づき、公民連携事業を実施する予定でしたが、新型コロナウイルス感染症拡大等の影響により、事業を一時休止していたところです。

 その後、令和5年7月の庁舎統合方針の見直しに伴い、暫定活用期間等の諸条件を踏まえ、敷地活用事業の検討を再開するに当たり、社会経済情勢や市場動向等についても大きな変化があったことが見込まれたため、改めてサウンディング調査の実施や、各種市民参加等を経て、基本方針を改定いたしました。

 改定をした基本方針で定めた「子どもの健やかな育ちと賑わい・交流が生まれる憩いの場の創出」のコンセプトを実現するため、保谷庁舎敷地を賃借し、施設整備・管理運営を実施する民間事業者等を募集します。

教育の公共性が危うい

 

中村文夫さん

 

教育の公共性が危うい。近代日本では、個人の立身出世のために官立学校の階梯を上る考え方が主流であった。立身出世がナショナルなものからグローバルに変容したのが現代。本質は変わらない。それは社会的な結びつきを壊す劇薬であった。都市部では、国家による教育に飽き足らない新中間層の保護者による子どもたちの私学志向が。そしてこれからも。

すでに政治の公共性はすでにない。福祉の公共性は、金で買うものに変質しつつある。個人の自由は、飢える自由になっている。

 

「M.Cヌスバウムの思想-教育における公共性再考のための基礎作業として」馬上美知を、読み始める。「ロールズとセンやヌスバウスは、人々の暮らしの改善や社会問題の解決を大事とし、個々人が善とするものを最大限追求、実現できる社会を目指すということにおいて同じ思想系列に位置する。・・・ヌスバウムにおいてはさらに「最奥の欲望」の探求と、社会構成原理の吟味をなす場としても理解されている。そしてそれらによって教育における公共性が成立するとのである。」(東京大学大学院教育学研究科紀要第45巻2005)。井上定彦さんに勧められて読み始めている。日本は教育思想が深まらない。

 

アリラン・ブックトークVol.19『はざまのわたし』

 

ゲスト:深沢 潮さん(小説家)

日 時:2025年7月26日(土) 15:00 オンライン&会場開催(後見せ配信あり)

場 所:アリラン閲覧室

    詳細,申込ページ:https://arirang-booktalk19.peatix.com/

主 催:文化センター・アリラン 連絡先: [email protected]

参加費:一般 1,000円 学生/何かしらの困難を抱えている方 600円

 

 在日コリアンの家庭に生まれた著者の“生きづらさ”を、「食」を手がかりに描き出す初の自伝的エッセイ。

 在日一世の父と二世の母を持つ著者が、家族との関係や、日本と韓国の狭間でさまざまな葛藤を重ね、一人の女性としてのアイデンティティを確立していく成長の物語。

 キムチ、珈琲、寿司、カップ麺、フライドチキンなど、「食」を通して彼女自身が感じてきた“違和感”と“劣等感”の正体を赤裸々に語った全十六話を収録。

 「在日の子」なのにキムチが嫌い。でもお寿司も嫌い―。何をしても自己肯定感が得られなかった少女の、魂の遍歴。

「中核機関の役割とソーシャルワーク機能に関する調査研究事業」について

 

公益社団法人 日本社会福祉士会

 

●事業の概要

 

「中核機関の役割とソーシャルワーク機能に関する調査研究事業」は、法務省の法制審議会における成年後見制度の見直しや、厚生労働省の地域共生社会の在り方検討会議における中核機関の位置づけの検討等を踏まえ、民法改正や、中核機関の法制化の後を見据え、ソーシャルワーク専門職団体として、中核機関に関する調査研究事業を行い、あるべき中核機関の役割とソーシャルワーク機能について整理を行うことを目的に実施いたしました。

 

具体的には、ヒアリング調査およびアンケート調査を実施し、中核機関のソーシャルワーク機能がどのように発揮されているか、チーム支援や地域連携ネットワークへの支援、包括的支援体制(重層的支援体制整備事業)や地域包括支援センター等の権利擁護事業との関係性や、行政と司法との連携における現状の課題や法的基盤の整備の必要性、機能を発揮する上で求められる体制や役割・機能について整理を行いました。

 

●中核機関の役割とソーシャルワーク機能に関する報告書

 

本事業を通じ、得られた成果を「中核機関の役割とソーシャルワーク機能に関する報告書」としてまとめましたので、これを公表します。 今後、この報告書が、各地域の自治体、中核機関職員等の関係者による、地域における権利擁護支援に向けた取り組みを進める際の一助となるほか、今後の中核機関のありかたに関する検討の基礎となることを期待しています。

 

事業報告書(9471KB)

https://www.jacsw.or.jp/citizens/seinenkoken/documents/chukaku250602.pdf

 

●ソーシャルリポート

 

報告書62ページに記載のとおり、ケース検討の際に活用できるシートとして、既に「地域における成年後見制度利用促進に向けた実務のための手引き」(厚生労働省 社会・援護局 (平成30年度社会福祉推進事業))で開発されたシートの改訂版として作成しています。このシートの活用の目的や記入方法については、以下のソーシャルリポート(解説付)や記載例をご参照ください。

 

・ソーシャルリポート(様式・全5枚)(39KB)

https://view.officeapps.live.com/op/view.aspx?src=https%3A%2F%2Fwww.jacsw.or.jp%2Fcitizens%2Fseinenkoken%2Fdocuments%2Fsheet.docx&wdOrigin=BROWSELINK

・ソーシャルリポート(解説付)(857KB)

 https://www.jacsw.or.jp/citizens/seinenkoken/documents/sheetkaisetsu.pdf

・想定事例① 記載例(1011KB)

 https://www.jacsw.or.jp/citizens/seinenkoken/documents/kisairei1.pdf

・想定事例② 記載例(1013KB)

 https://www.jacsw.or.jp/citizens/seinenkoken/documents/kisairei2.pdf

・想定事例③ 記載例(1034KB)

 https://www.jacsw.or.jp/citizens/seinenkoken/documents/kisairei3.pdf

 

なお、記載例につきましては、以下3つの想定事例を基に作成しております。

①後見人等が本人の面会をせず、本人の希望も確認せずに、一方的に福祉サービスの利用を解約してしまうので、知的障害のある被後見人等本人が後見人等を交代してほしいと思っていることを相談支援センターの相談員が聞き取った。

②後見人等に対して、本人への日常的な金銭管理のあり方への要望や、生活に困窮している親族自身への金銭支援の要請など、被後見人等の親族からの電話やline等による訴えが多く、後見人等が辞任をしたいと考えている。

③申立時の本人の課題は、在宅生活から本人の希望にあった施設入所であり、そのために不動産を処分して資産を活用するということであった。その課題への対応が終わり、本人は安定して現施設での生活が継続している。施設のある地域には市民後見人の候補者がおり、市民後見人への交代を検討している。

 

米国労働運動 : ニューヨーク市長予備選挙、民主党候補に    

 

レイバーノーツ9月の翻訳記事をレイバーネツト日本のウェブサイトに掲載しましたのでご覧下さい。

http://www.labornetjp.org/news/2025/0701us

http://www.labornetjp.org/

 

【解説】6月24日のニューヨーク市長選挙に向けた民主党の予備選挙で、33歳のウガンダ生まれのインド系移民ゾーラン・マムダニ候補が勝利を収めた。イスラム教徒で民主主義的社会主義者でもあるマムダニ候補がニューヨーク市長となる公算が高い。

レイバーノーツ誌は6月27日にネットで配信している週間重要ニュースの一つとしてThe Nation誌の下の記事を転載した。一部を省略し、要約して翻訳した。 

(レイバーネット国際部 山崎精一)

 

「自分の都合の良い時間に働きたい」は当たり前なのに半人前の待遇で一人前に働く非正規労働者

 

NPO現代の理論・社会フォーラム経済分析研究会 メールマガジン第360号

POLITICAL ECONOMY No.287  2025年7月2日

【WEB】 http://keizaiken.sakura.ne.jp/

 

 街角ウォッチャー 金田 麗子

 

 日本の非正規労働者は、「主体性の罠にはまり」半人前の待遇で一人前のように働くと、『<一人前>と戦後社会』(禹宗但・沼尻晃伸著、岩波書店)は指摘する。本書は戦前、戦後から現在までを、「一人前」に扱われたい、をキーワードに主に雇用政策を通じて分析している。

 

 私の息子は30代後半だが、大学入学と同時に飲食小売大手チェーン店にアルバイト就労し、そのまま現在まで20年近い勤続年数で働いている。20年選手の彼は、製造販売から日々の入出金、売り上げ管理、注文在庫管理など事務作業もすべて一人で行ってい

て、残業も多い。連合系の職場の労組に加入していて、無期雇用に転換。社会保険も完備されているが、収入は残業代も入れて月平均22万円くらい。ボーナスもない。典型的に半人前の待遇で一人前に働く非正規労働者である。

 

 彼の職場は、正社員はエリアマネージャーだけ。他は非正規社員で構成されている。通年人手不足で、彼はエリアの他店舗に応援に行くこともあった。同業他社の中には、非正規労働者の確保が出来ず、開店時間の縮小や廃業に追い込まれる店舗さえある。

 

働かざるを得なくない現実

 

 「主体性の罠」という個人の意識で働いているというよりも、既に「働かざるを得なくなっている」現場が実態なのではないか。

かつて私自身中規模書店チェーン店のパートで働き、1978年にパート労組を立ち上げ20年活動した。今書店は存亡の危機にあるが、当時から書店は利益率が低く6割を非正規労働者が占めている実態だった。

 

 現在私は、精神障がい者のグループホームで非正規職員として働いているが、昨年来、職員や同僚が病気や家族の介護などで休職が続き、一時期70才の私と80才の同僚2人でシフトを埋めていたこともある。経営母体はNPOで、団体の責任者も駆けつけるが、いかんせん実務は我々が行わざるを得ない。求人広告を出しても来ないし来ても断られる。「主体性の罠」にはまっているというより、利用者がいるかぎり、誰かが働かざるを得ない職種なのである。

 

 かつては非正規労働者といえば、主婦パートというイメージで語られていたが、現在は40代~50代の氷河期就職世代、高齢者の再就職、さらに15~24才の若年層まで広がっている。内閣府の「高齢社会白書」(2024年版)によると、2023年65歳以上の就業者数は20年連続上昇している。労働力人口総数に占める65才以上の割合は13.4%。65才以上の非正規率は76.8%である。

 

 氷河期就職世代やその下の世代までが非正規化している。15~24才のうち非正規の比率は22年で50.4%という高水準。学生アルバイトが含まれているのを勘案しても、相当数が非正規として職業生活をスタートしている状況だ。

 

「リーマン震災世代」も不安定で低年収

 

 『就職氷河期世代』(近藤絢子、中央公論社)によると、就職氷河期世代とは、1993年~2004年に学校を卒業した世代で、バブル後の長期不況の影響で企業は、雇用調整として新規採用者の減少と非正規雇用の増加で対応した。その結果、就職氷河期世代が

生じたという。就職氷河期世代、特に後期は上の世代に比べて長期に渡って雇用が不安定で年収も低い。

 

 更に氷河期よりも下の世代は、景気回復期に卒業した世代であるのにもかかわらず、雇用が不安定で年収が低いままであることが、データをもとに示されている。

 

 ポスト氷河期就職世代(05年~09年卒)は、氷河期が終わり、新卒市場が売り手市場になったと言われていた時期に就職した世代、リーマン震災世代(10年~13年卒)は、リーマンショックや東日本大震災の影響を受けた時期に卒業した世代、と言われてい

る。

 

 17年の「就業構造基本調査」(総務省)によると、各世代の初職の雇用形態のうち非正規の割合はバブル世代は7.1%、氷河期前期世代は10.6%、後期世代は16.7%、ポスト氷河期世代は16.7%、リーマン震災世代は18.3%である。氷河期以降の世代も卒業後すぐに正規雇用の仕事に就く人は限られていたのである。

 

非正規を「望む」、「望まぬ」という線引きはおかしい

 

 冒頭の『<一人前>と戦後社会』では、いわゆる非正規を「望む」、「望まぬ」という線引きで対応する問題点を指摘している。というのは非正規雇用を選んだ理由として、男女問わず「自分の都合の良い時間に働きたいから」が最も多く、「正規の職員、従

業員の仕事がないから」を選択している人は1割程度。政府はこの層だけを「不本意の非正規」とみなし、対策を行うとしているからだ。

 

 そもそも「自分の都合の良い時間に働きたい」という理由で選んだ労働の価値が、通常の労働に比べて見劣りする理由はない。ヨーロッパの多くの国では、パートタイマーで働く価値が、フルタイムで働く人より下がることはなく時間当たりの価値は変わら

ないと見ている。

 

 これに対し日本では、「パートで働く」あるいは「非正規で働く」、雇用形態が違うだけで、「半人前」の扱いをされている。時間あたりの価値が大きく下がるわけではない。個人の意思とはかかわりないのである。

 

 そもそも働く人が、「自分の都合の良い時間に働きたい」と思うのは、ごく当たり前。にもかかわらずなぜ非正規を選ぶのだろうか。それは日本の正社員・正規雇用者は、「長時間働くもの」だから、非正規は、正規に課せられている「長時間労働」ゆえに、不本意」で選択しているのだ。

 

 同書では事例として、雇用区分の転換時の試験を廃止、三段階の社員区分をやめ「社員」に統一。アルバイトを除き無期雇用、月給、賞与ありの待遇にした金融保険業界の会社などが紹介されている。

 

 家事、子育て、介護のみならず健康維持のための時間、このすべてのケアのための時間が保障されない「正規雇用」の変革と、雇用の安定、低賃金の底上げこそが必要である。非正規の不安定雇用、低賃金は年金に影響を与え、大量の無年金、低年金の高齢者が生じる。目の前の参議院選挙でも中心的な課題である。

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