【問題】Ⅱ-1-2
水道原水に係るクリプトスポリジウム等による汚染のおそれの判断と、対応措置について述べよ。
【解答例】
1 クリプトスポリジウム等汚染のおそれの判断
原水から指標菌が検出されたことのある施設のうち、原水が地表水の場合は、汚染のおそれが高い(これ以降「レベル4」)、原水が地表水以外の場合は、感染のおそれがある(これ以降「レベル3」)と判断する。
原水から指標菌が検出されたことのない施設のうち、原水が地表水等の混入している被圧地下水の場合は、当面感染のおそれが低い(これ以降「レベル2」)、原水が被圧地下水のみの場合は、感染のおそれが低い(これ以降「レベル1」)と判断する。
2 汚染のおそれに応じた対応措置
レベル4の場合、ろ過設備(急速ろ過・緩速ろ過・膜ろ過)を設ける。その上で、ろ過水濁度を0.1度以下に維持、又はろ過水の紫外線処理を実施する。
レベル3の場合、ろ過設備を設けた上でろ過水濁度を0.1度以下に維持する、又は原水の紫外線処理を設ける、いずれかを実施する。
レベル4、レベル3の場合、紫外線処理を行う際はクリプトスポリジウム等を99.9%以上不活化できる設備を使用する。また、適切な頻度で、原水におけるクリプトスポリジウム等と指標菌の検査を行う。
レベル2の場合、3か月に1回以上の頻度で、原水の指標菌検査を行い、水質監視を徹底する。
レベル1の場合、1年に1回の頻度で、原水の水質検査等を行い、井戸の隔絶性等を確認する。
【解答例作成者の感想】
令和元年5月、施設基準省令が改正され、「水道におけるクリプトスポリジウム等対策指針」の見直しが行われました。このことが当該テーマについて出題された背景になっていると思われます。
問題自体は、スタンダードなものですが、2年連続でクリプトスポリジウム等対策が出題されるとは、正直、驚きました。
この指針の見直しにより、地表水を水源とする浄水場においても紫外線処理を導入できるようになりました。これを踏まえて、
・汚染のおそれの判断を指標菌により判断すること、
・汚染のおそれのレベルは、水源の種類等により、4つの段階に分類されていること
・レベル4とレベル3の対応措置は、ろ過処理と紫外線があり、レベル4とレベル3で、違いがあること
を示すことができれば、合格点だと思います。
※ ひとつ前の問題を見たい方は こちら をどうぞ。
●技術士の勉強法
※ テキストを見たい方は、 こちら をどうぞ。
●二次試験の予想問題
※ 令和3年度の予想問題と解答例を見たい方は こちら をどうぞ。
※ 令和2年度の予想問題と解答例を見たい方は こちら をどうぞ。
※ 令和元年度の予想問題と解答例を見たい方は こちら をどうぞ。
●過去問と解答例
※ 令和2年度の試験問題(上水道及び工業用水道)と解答例を見たい人は、こちら をクリックしてください。
※ 令和元年度の試験問題(上水道及び工業用水道)と解答例を見たい人は、こちら をクリックしてください。
※ 平成30年度の試験問題(上水道及び工業用水道)と解答例を見たい人は、こちら をクリックしてください。